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HMBとは?
3-ヒドロキシイソ吉草酸。
「HMBがブタのタンパク質の分解を抑えるならば、ヒトでも同じ効果を期待できるのでは?」
1996年、アイオワ州立大学のNissenらは、HMBによる動物実験の結果をもとに、世界で初めてヒトに対する臨床実験を行い、HMBが筋タンパク質の分解を抑え、トレーニング効果を高める可能性があることを明らかにしました(Nissen S, 1996)。
HMBはロイシンの代謝産物のことをいいます。ロイシンは筋肉のもととなる筋タンパク質の合成にもっとも重要であるアミノ酸のひとつです。このロイシンが筋肉や肝臓で代謝され、生み出されたのがHMB(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate)です。
HMBとトレーニングの効果
国際スポーツ栄養学会は、トレーニングに対するHMBの効果について4つのエビデンスを示しています(Wilson JM, 2013)。
それは「筋肥大の増大」、「筋損傷の回復」、「加齢による筋肉減少の予防」、「脂肪量の減少」です。
筋肥大は、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成作用が分解作用を上回ることにより生じます。筋タンパク質の合成作用はmTORという酵素により高まり、分解作用は主にユビキチンプロテアソームという酵素の集合体により高まります。
HMBにはmTORを活性化させ、ユビキチンプロテアソームを減弱させる効果があります。この効果もとに、HMBを摂取したときの筋タンパク質の合成・分解作用を計測した研究では、合成作用が増加し、分解作用が減少することにより、トレーニング後の筋肥大が有意に増大することが示唆されているのです。
これがHMBによりトレーニング後の筋肥大の効果が増大すると言われる理由です。